最近の論文

Subhashis Banerjee, Sushmita Mitra, Yoichi Hayashi, A Novel GBM Saliency Detection Model Using Multi-Channel MLR, PLOS ONE 11(1), e1046388, 2016 [オンライン公開日 2016-01-11]
論文題名: 『マルチ・チャネルMRIを用いた画期的な神経膠腫多種(GBM)特徴検出』
掲載誌: PLOS ONE (プロス・ワン)

論文概要: 全ての致命的な脳腫瘍の中で神経膠腫多種は医学的に最も重要な研究対象である。本論文では通常、赤、緑、青からなるカラー・マルチチャネルMRI画像を三個のグレイスケール画像に六通りの方法で一旦変換し、再度RBG画像に再構成する疑似-カラー化を提案している。 本論文で提案している方法は目標領域(自動的に教師信号を与えることなく)に迅速に焦点を当てることができる。この方法は如何なる目標領域も抽出するための適切な応用として適用することができる。 本アルゴリズムは最先端の四個の特徴検出モデルと比較して優れていることが実験的に確かめられており、大量のカラー・マルチチャネルMRI画像からの脳腫瘍の高速検出法の実用化に道を開いたと言え、今後、増加すると思われる脳ドックにおける脳神経外科医の労力低減により脳腫瘍を始めとする様々な脳疾患の高速・高精度な診断に繋がると期待できる。 論文を読む

Yoichi Hayashi, Satoshi Nakano and Shota Fujisawa, Use of the recursive-rule extraction algorithm with continuous attributes to improve diagnostic accuracy in thyroid disease, Informatics in Medicine Unlocked 1, pp. 1-8 (2015)  [オンライン公開日 2016-02-15]
論文題名: 『甲状腺疾患における診断精度の向上のための連続値属性を用いる再帰的ルール抽出アルゴリズムの活用』
掲載誌:インフォマティクス・イン・メディスン・アンロックト

論文概要: 甲状腺疾患は甲状腺ホルモンを作る働きが異常を起こしている病気であり全世界で2億人の患者がいる重要疾患である。80%が全身の代謝が低下する甲状腺低下機能症であり、20%が全身の代謝が過度に高まる甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)である。本論文では15種類のバイナリー属性と6種類の連続値属性からなる学術用としては大規模なデータベースから上記の二つの疾患をもつ患者と正常な人の3クラスに分けてクラス分け・診断するだけでなく、測定された血液検査値が診断に関係しているかを明快で簡潔な三個のIf-Then形式で導いた点に大きな独創性がある。 この様に診断結果を解りやすいルールで説明することは専門医、家庭医、看護師、患者の間での疾患の因果関係についての共通理解を大きく促進し、高齢化社会において健康医療に取り組む課題に直面している日本において過剰診療・検査を防ぎ、一方でインフォームド・コンセントの質的向上を図る点で全く新しい社会医療基盤構築の鍵となると期待される。 論文を読む

Yoichi Hayashi and Satoshi Nakano, Use of a Recursive-Rule eXtraction algorithm with J48graft to achieve highly accurate and concise rule extraction a large breast cancer dataset, Informatics in Medicine Unlocked 1, pp. 9-16 (2015).  [オンライン公開日2016-02-15]
論文題名:『大規模な乳がんデータセットから高精度で簡潔なルール抽出を達成するためのJ48graftを用いる再帰的ルール抽出アルゴリズムの活用』
掲載誌:インフォマティクス・イン・メディスン・アンロックト

論文概要: 米国では毎年230,000人の女性が乳がんに罹患している。上記の内40,000人は死に至っている。日本においても毎年89,000人の女性が乳がんに罹患している。  乳がん検診率は米国の51.3%と比較して日本の検診率は34.2%に留まっています。しかし、マンモグラフィー、超音波検査でも十分な診断がつかない場合は通常は細胞病理学に用いた、吸引針生検、針生検、穿刺吸引細胞診を行いる。本論文では穿刺吸引細胞診によって採取した9種類の細胞の評価から乳がんであるか、乳がんではないの判定だけなく、細胞病理学的な値がどの様に診断に関係しているかを明快で簡潔なIf-Then形式で導いた点に大きな独創性がある。この方式は吸引針生検、針生検など細胞病理学データベースにも容易に適用できる。 この様に診断結果を解りやすいルールで説明することは専門医師、家庭医、看護師、患者の間での疾患の因果関係についての共通理解を大きく促進し、高齢化社会において健康医療に取り組む課題に直面している日本において過剰診療・検査を防ぎ、一方でインフォームド・コンセントの質的向上を図る点で全く新しい社会医療基盤構築の鍵となると期待される。 論文を読む

Yoichi Hayashi and Shonosuke Yukita, Rule extraction using Recursive-Rule extraction algorithm with J48graft combined with sampling selection techniques for the diagnosis of type 2 diabetes mellitus in the Pima Indian dataset, Informatics in Medicine Unlocked 2, pp.92-104 (2016) [オンライン公開日 2016-04-23]
論文題名:『Pima IndianデータセットにおけるⅡ型糖尿病の診断のためのサンプリング選択技術とJ48graftを併用する再帰的ルール抽出アルゴリズムを用いたルール抽出』
掲載誌:インフォマティクス・イン・メディスン・アンロックト

論文概要: 世界保健機構の最新報告では現在世界中に4億2000万人の糖尿病患者がおり2030年までに5億5200万人まで増加すると推定している。現在、年間460万人が糖尿病で死亡している。
 米国の統計によると現在2910万人の糖尿病患者がいると推定され、米国民の9.3%が該当する。更に、上記の内の810万人については糖尿病という診断がなされていないのが現状である。
 糖尿病は体全体に影響を及ぼす病気で心臓疾患、脳卒中、失明、腎臓不全などの深刻な合併症を引き起こす。糖尿病にはⅠ型とⅡ型があるが成人が発病する90-95%はⅡ型糖尿病であるので本論文ではⅡ型糖尿病か否かの診断と、その診断理由を解り易いIf-Thenルールの形式で導いている。本研究で扱っているⅡ型糖尿病データベースにはヘモグロビンA1c (HbA1c)の項目がないため、日米の学会で多用されているHbA1cによる基準が用いることができない。また、空腹時血糖(FPG)も入力項目にない。
 一方で伝統的な経口ブドウ糖負荷試験2時間値(OGTT)とBMIはデータベースの入力にあるのでⅡ型糖尿病であるか、否かについて判定し説明するルールを抽出したところ、日本糖尿病学会で定める境界型糖尿病を早期に発見する興味深い知見を得た。
 一般的にはHbA1cでⅡ型糖尿病であるか否かが判断できると考えられているが、HbA1cだけでは境界型糖尿病患者を見逃している事を指摘する学術論文も多い。事実、境界型糖尿病を判別するガイドラインは日米の学会にはない。また、OGTTあるいはBMIの値が糖尿病の有無を判定するのに有効であるという論文もある事から本論文のⅡ型糖尿病のデータベースからのルール抽出は全く同じアルゴリズムをHbA1c, FPGを含んだ大規模な糖尿病データベースに適用してビッグデータ解析を行い潜在的に多数いる境界型糖尿病患者の早期発見、予防、栄養管理指導に繋がり重点慢性疾患の一つである糖尿病対策の新しい方策として有望であると考えられる。 論文を読む

Yoichi Hayashi, Application of Rule Extraction Algorithm Family Based on the Re-RX Algorithm to Financial Credit Risk Assessment from Pareto Optimal Perspective, Operations Research Perspectives, Vol. 3, pp. 32-42 (2016).  [オンライン公開日 2016-08-20]
論文題名:『Re-RXアルゴリズムに基づくルール抽出ファミリーのパレート最適性の観点からの金融クレジットリスクアセスメントへの応用』
掲載誌:オペレーションズリサーチ・パースペクティブズ

論文概要: 歴史的にクレジットリスクのアセスメントは非常に重要でかつ難しい事が証明されている。近年、金融機関はクレジットアセスメントをコンピュータ化されたクレジットスコアを使用する事に頼っている。
 しかし、自動化されたクレジット評価は現状では不完全であり、莫大な資本の損失はコンピュータ化されたクレジットアセスメントの性能を向上させることによって防ぐ事が出来る。多くのアプローチがここ数十年に間に渡ってクレジットスコアを計算するために開発されてきた。しかし、これらの方法は良い理解度がなく複雑すぎると考えられる。従って、あまり広く適用されていない。
 本論文では、Re-RXファミリー、即ちRe-RXアルゴリズム、連続型Re-RXアルゴリズム、Re-RX with J48graft、サンプリングRe-RX, およびNeuroLinear、NeuroLinear+GRG、サポートベクターマシンを用いたユニークな三種類のルール抽出法およびMinervaを四種類の実世界のニクラスの混合属性をもつクレジットリスクデータセットに適用して10重交差確認を10回繰り返して得られた結果を用いて初めて普遍的な比較実験を行っている。また、パレート最適性の観点から、様々な新たに拡張されたRe-RXアルゴリズムのタイプと高い性能を示す分類器の役割についても議論している。 論文を読む

Yoichi Hayashi and Kazuhiro Fukunaga, Accuracy of Rule Extraction Using a Recursive-Rule Extraction Algorithm with Continuous Attributes Combined with a Sampling Selection Technique for the Diagnosis of Liver Disease, Informatics in Medicine Unlocked (IMU), Vol. 5, pp.26-38 (2016). [オンライン公開日 2016-10-10]
論文題名:『肝臓疾患の診断に対してサンプリング技術と連続値属性を用いる再帰的ルール抽出アルゴリズムを用いたルール抽出の精度』
掲載誌:インフォマティクス・イン・メディスン・アンロックト

論文概要: 肝臓癌は世界の中で第二位の癌による死亡原因であるにもかかわらず、抽出された分類ルールの精度と理解度には限界があり、肝臓病の診断は依然として困難である。加えて、肝臓の炎症である肝炎は繊維症、肝硬変あるいは肝臓癌にもなり得る。肝臓病を診断するための多くの方法が適用されてきたが、殆どの現行の診断法はデータの中に潜んでいる情報を適切に表現できないブラックボックスモデルである。この様な医学的設定では、抽出されるルールは非常に正確であるだけでなく高い理解度がなければならない。再帰的ルール抽出(Re-RX)アルゴリズムはホワイトボックスであり、非常に正確で理解しやすい分類ルールを離散値属性と連続値属性に基づいて生成する。しかし、この方法は他のルール抽出アルゴリズムと比べてより多くのルールを生成する傾向がある。本研究の目的は新しいルール抽出アルゴリズムである、連続型Re-RXアルゴリズムをサンプリングセレクション技術と組み合わせた(Sampling-Continuous Re-RX)を非常に正確で理解しやすいBUPA(肝臓疾患)と肝炎データセットの診断ルールを得るために用いる事と腹水の有無と血清バイオマーカーの重度と発病中の肝炎との間の関係をChild-Pughスコアを考慮して定量化する事である。 論文を読む